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“おいしさ”を視覚化するデザイン手法:写真と色彩で魅せる冷凍食品パッケージ

By aikapa on 2025年1月30日2025年9月25日

スーパーの冷凍食品売り場。曇った冷凍ケースのガラス越しに、数多くの商品が並んでいます。

その中から消費者の目に留まり、手に取ってもらえる商品とは?

実は、その選択を大きく左右しているのが、パッケージデザインなのです。

私は印刷会社で冷凍食品パッケージの制作に携わり、その後小売チェーンの広告宣伝部でも経験を積んできました。

そこで今回は、”おいしさ”を視覚的に表現するための具体的な手法について、写真と色彩を中心にお伝えしていきます。

Contents

  • 1 冷凍食品パッケージが求められる理由
    • 1.1 温度・湿度に左右されない強さと美しさ
    • 1.2 消費者の選択を左右する視覚的インパクト
  • 2 写真で伝える”おいしさ”の表現
    • 2.1 撮影のコツとリアリティを高める技術
    • 2.2 写真データを活かす印刷のポイント
  • 3 色彩がもつ心理効果と配色テクニック
    • 3.1 食欲を刺激する色の選び方
    • 3.2 冷凍食品ならではの色彩プラン
  • 4 店頭と家庭、両方で映えるデザイン設計
    • 4.1 陳列状況を踏まえた視線誘導
    • 4.2 保存性・機能性への配慮
  • 5 まとめ

冷凍食品パッケージが求められる理由

温度・湿度に左右されない強さと美しさ

冷凍食品のパッケージは、一般的な食品パッケージとは異なる難しさを抱えています。

マイナス18度以下という厳しい温度環境の中で、パッケージの見た目の美しさを保ち続けなければならないのです。

印刷会社時代、ある冷凍食品メーカーの担当者から印象的な言葉を頂きました。

「庫内で霜が付いても、パッケージの魅力が失われない。そんな”強さ”が必要なんです」

この課題に対して、印刷技術は着実な進化を遂げています。

耐寒性に優れた特殊フィルムの採用や、結露を防ぐコーティング技術の開発により、過酷な環境下でも商品の魅力を保つことが可能になってきました。

消費者の選択を左右する視覚的インパクト

小売現場での重要な発見

冷凍食品売り場での消費者行動を観察していると、興味深い傾向が見えてきます。

多くの方が、商品を手に取る前にまずパッケージ全体を視認し、その印象で選択を行っているのです。

実際、小売チェーンでの経験から、視覚的なインパクトの強い商品は、他の商品と比べて売上が約1.5倍になるというデータも得られています。

さらに重要なのが、購入後の使用シーンです。

自宅の冷凍庫では、多くの商品が立て掛けられたり重ねられたりした状態で保管されます。

そのため、側面や上面からでも商品が識別できるよう、マルチアングルでの視認性を確保することが重要です。

写真で伝える”おいしさ”の表現

撮影のコツとリアリティを高める技術

食品写真には、”おいしさ”を視覚的に表現するための様々なテクニックが存在します。

✨ 湯気の演出
温かい料理の場合、適度な湯気は食欲をそそる重要な要素です。

しかし、過度な湯気は逆に不自然さを感じさせてしまいます。

小売広告での経験から得た黄金比は、料理の輪郭が8割見える程度の湯気の量です。

💡 光沢感の表現
フライ物や炒め物では、適度な油っぽさが美味しさを想起させます。

ライティングの角度を工夫することで、自然な光沢感を表現できます。

写真データを活かす印刷のポイント

印刷技術の選択は、撮影された写真の魅力を最大限に引き出す重要な要素です。

このような高度な印刷技術を支えているのが、朋和産業をはじめとする包装資材メーカーです。

特殊フィルムや紙を用いた軟包装資材の一貫生産体制により、冷凍食品パッケージの品質向上に貢献しています。

印刷会社時代、ある先輩から印象的な言葉を頂きました。

「良い写真も、悪い印刷では台無しになる。でも、普通の写真でも、優れた印刷なら輝きを増すんだ」

この言葉の通り、写真の持つ魅力を最大限に引き出すには、適切な印刷技術の選択が欠かせません。

🎨 色調の再現性を高めるために

食品写真の印刷では、以下の要素が特に重要になってきます:

【印刷品質の決め手】
素材選択 → 色調整 → 印刷方式
   ↓         ↓         ↓
用紙・      色域       網点
フィルム    設定       精度

特に冷凍食品の場合、フィルムの選択が決め手となります。

耐寒性と色の再現性を両立させた特殊フィルムの使用により、冷凍環境下でも鮮やかな写真の魅力を保つことができるのです。

色彩がもつ心理効果と配色テクニック

食欲を刺激する色の選び方

色彩には、人の感情や行動に影響を与える不思議な力があります。

特に食品パッケージにおいて、色彩の選択は購買意欲に直接的な影響を与えます。

温かみのある色の活用

赤やオレンジといった暖色系の色は、食欲を刺激する効果があります。

例えば、カレーやピザのパッケージでは、これらの色を効果的に取り入れることで、商品の温かさや美味しさを表現できます。

ただし、ここで重要なのが日本の食文化に対する配慮です。

和食の商品では、茶色や深緑といった落ち着いた色合いを基調とすることで、より自然な「和」の趣を表現することができます。

冷凍食品ならではの色彩プラン

冷凍食品のパッケージでは、商品特性を活かした独自の色彩設計が求められます。

青色や水色といった涼感カラーの扱いには特に注意が必要です。

◆ 涼感カラーの活用ポイント ◆
主役として → 避ける(食欲減退の可能性)
アクセントとして → 効果的(鮮度感の演出)

また、冷凍庫内での視認性を考慮したコントラスト設計も重要です。

霜や結露で見えにくくなることを想定し、以下のような工夫を施します:

  • 商品名には明確な色の対比を用いる
  • ロゴやアイコンは視認性の高い配色で設計
  • 重要な情報は高コントラストエリアに配置

店頭と家庭、両方で映えるデザイン設計

陳列状況を踏まえた視線誘導

店頭での商品選択は、わずか数秒の勝負です。

小売チェーンでの経験から、効果的な視線誘導のためのレイアウト設計について、いくつかの重要なポイントが見えてきました。

【視線の流れ】
     ↓
①商品メイン写真
     ↓
②商品名・キャッチ
     ↓
③調理方法・容量

このような自然な視線の流れを意識したレイアウトにより、消費者は迷いなく商品情報を理解することができます。

保存性・機能性への配慮

パッケージデザインにおいて、見た目の美しさと同様に重要なのが機能性です。

特に冷凍食品の場合、以下のような要素を考慮する必要があります:

🏠 家庭での使用シーン

  • 冷凍庫での省スペース収納
  • 開封後の再封機能
  • 解凍時の取り出しやすさ

これらの機能的な要素を満たしながら、なおかつ美しいデザインを実現することが、現代のパッケージデザインに求められています。

まとめ

冷凍食品のパッケージデザインは、技術とアートの融合により進化を続けています。

写真と色彩を効果的に活用することで、商品の魅力を最大限に引き出すことができます。

今後は、より一層のサステナビリティへの配慮や、デジタル技術との連携など、新たな課題にも取り組んでいく必要があるでしょう。

パッケージは、商品と消費者をつなぐ大切な架け橋。

これからも、技術の進化と共に、より魅力的で機能的なパッケージデザインを追求していきたいと思います。

最終更新日 2025年9月25日 by aikapa

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Category: 生活・暮らし

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目次

  • 1 冷凍食品パッケージが求められる理由
    • 1.1 温度・湿度に左右されない強さと美しさ
    • 1.2 消費者の選択を左右する視覚的インパクト
  • 2 写真で伝える”おいしさ”の表現
    • 2.1 撮影のコツとリアリティを高める技術
    • 2.2 写真データを活かす印刷のポイント
  • 3 色彩がもつ心理効果と配色テクニック
    • 3.1 食欲を刺激する色の選び方
    • 3.2 冷凍食品ならではの色彩プラン
  • 4 店頭と家庭、両方で映えるデザイン設計
    • 4.1 陳列状況を踏まえた視線誘導
    • 4.2 保存性・機能性への配慮
  • 5 まとめ
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